太平洋戦争後に旧ソ連が占領し、ロシアが実効支配する北方領土。今月13日にはプーチン大統領が択捉島を訪れ、日本の返還要求に応じない姿勢を示した。終戦時に約1万7千人を数えた元居住者は5千人を割り込み、平均年齢は90歳を超えた。北方領土問題の風化が懸念される中、元居住者の団体は来年、原爆被爆地の広島を参考に当事者の体験談を受け継ぐ「伝承者制度」を創設し、記憶の継承を図る。(門田晋一)
■27年度開始視野 広島参考、故郷返還願い
8月上旬、北方領土問題への理解を深めようと、兵庫県内の中高生17人が「北方領土青少年等現地視察団」として、日本最東端の納沙布岬(北海道根室市)を訪れた。
歯舞群島の貝殻島までは海を隔ててわずか3・7キロ。北方領土の関係資料を展示する施設「北方館」の館長で元居住者2世の斉藤貴志さん(61)は、視察団にこう訴えた。「戦後80年が過ぎ、島に帰りたいという気持ちで返還運動を頑張ってきた世代がどんどん亡くなっている」
























