農林水産省によると、2025年度のカロリーベースの食料自給率は前年度比1ポイント減の37%となった。下落は5年ぶりで、1965年度以降で最低の水準だった。食料を他国に大きく頼る状況を、深刻に受け止める必要がある。
下落の主因は「令和のコメ騒動」による国産米の価格高騰だ。主食のコメは大半を国産で賄えているが、高騰により消費量自体が減った上に、割安の輸入米が増えたことが響いた。
食料自給率は、国内の食料消費を国産でどの程度賄えているかを示す。政府は食料安全保障の観点から向上を目指し、「2030年度に45%」の目標を掲げる。しかし、1965年度の73%から右肩下がりの傾向が続き、近年は16年連続で40%を割った。上昇の兆しは見えない。
長期にわたる自給率の低迷は、洋食化でコメの消費量が減ったことが最大の要因である。一方、原料の小麦を輸入に頼るパンや、牛肉をはじめとする外国産食品の割合が増えた。輸入食材を使った外食や調理済み食品の消費拡大も、自給率を押し下げている。
農水省が試算した主要7カ国(G7)の自給率は、カナダ(195%)、フランス(119%)、米国(112%)が100%を超え、6位のイタリアも51%で日本を大きく上回る。
食を海外に依存する構造は、各国との貿易が安定的に機能することが大前提だ。だが、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢の混迷で食料やエネルギーの供給が滞るなど、その前提は揺らいでいる。政府は農業生産の拡大と維持に努めねばならない。コメの需給と価格の安定は最重要課題と言える。
食の変化に合わせた国産作物を増やす取り組みも参考になろう。福岡県はラーメン用の小麦の品種を開発し「ラー麦」の名称で普及を図る。香川県も讃岐うどんに適した小麦「さぬきの夢」でブランド化を進める。
規模拡大や効率化に偏重した農政ではなく、市場のニーズに合う農作物を地産地消でブランド化し、根付かせるようなきめ細かい政策が求められる。食料を海外に委ねるリスクを消費者に理解してもらうための啓発も鍵となる。
























