神戸市北区で2010年、高校2年の堤将太さん=当時(16)=が刺殺された事件は4日で発生から16年となる。遺族は当時17歳だった受刑者の男(33)=殺人罪で懲役18年が確定=と両親に損害賠償を求めて民事訴訟を起こしたが、3月の神戸地裁判決は両親の監督義務違反を認めなかった。今月13日には大阪高裁で控訴審の初弁論を控える。将太さんの父敏さん(67)は「世間の常識と乖離がある司法でいいのか」と語る。(初鹿野俊)
手帳を開くと、野球部のユニホームに身を包んだ中学時代の将太さんがいる。「全身が写っていて、一番好きな写真やね」と敏さん。手帳が替わっても10年以上、しおりとして使ってきた。
事件の3、4年後から講演活動で各地を飛び回ってきた。相次ぐ依頼を手帳に書き込むたび、将太さんと目が合う。「何回やったか分からへん」という講演は少なくとも月に2回はこなし、通算で数百回。近畿などで重ね、11月には初めて関東に赴く。
講演では将太さんへの思いに重点を置いたり、遺族への中傷や報道被害、犯罪被害者支援の乏しさをテーマにしたり。自治体、警察、学校、刑務所、少年院など聞き手に応じて毎回内容を変えるため、当日の移動中も原稿を練る。























