遺体に殺菌消毒や防腐処置を施し、安らかな姿に修復する「エンバーミング」が広がっている。昨年の処置件数は全国で9万件近くに上り、この30年で10倍に増えた。兵庫県内では3カ所の処置専用施設が稼働。首都圏などで「火葬待ち」が問題となる中、処置した遺体はドライアイスなしで長期保存が可能で、故人との最後の時間を穏やかに過ごせるとして注目を集めている。
「うわぁ、寝てるみたい」「いつものお父さんやね」。
神戸市東灘区の女性(69)は2015年12月、エンバーミングを受けた父の遺体を見て家族と感嘆の声を上げた。
90歳の父が老衰で亡くなり、葬儀会社からエンバーミングを紹介された。約1年間入退院を繰り返し、人相が変わるほどやせ細っていたが、自宅に戻ってきた父の顔はふっくらとして血色もよく、生前に叙勲を受けた際に仕立てたえんび服も着せてもらった。
























