生まれつき耳が聞こえないろう者で、性的少数者でもある山本芙由美さん(45)=神戸市垂水区=は2014年、32歳の時に自分と同じ当事者の支援団体を立ち上げた。米国の大学に留学して「ろう×LGBTQ学」を専攻し、多様性への理解の違いを痛感した。基本的人権の尊重、法の下の平等などを定めた日本国憲法の公布から、3日で80年となる。山本さんの経験や活動を通して、憲法の理念と社会の現在地を考える。(井上太郎)
「多感な時期に自分のアイデンティティーを正しく理解し、他人に伝える言葉を私は持っていなかった」
山本さんは手話でそう語ると、手元の冊子を広げた。自身が代表を務める当事者支援団体「デフLGBTQセンター」が1年前に発行した「10代ろう者のためのセクシュアリティサポートブック」だ。
親指を立てて「男」。小指を立てて「女」。この2択しかない旧来の日本の手話では、ジェンダーを正確に表現できないこと。性自認、性的指向はさまざまで、身近に当事者がいるかもしれないこと。それらを表す手話を考案したこと。























