広島平和の象徴である折り鶴を手にC7サミット出席者と交流する長冨日向さん(左端)=フランス・パリ(本人提供)
広島平和の象徴である折り鶴を手にC7サミット出席者と交流する長冨日向さん(左端)=フランス・パリ(本人提供)

 11月、日本国憲法の公布から80年を迎えた。太平洋戦争で300万人以上が犠牲となった日本は憲法9条で平和主義を誓い、幅広い年代が反戦意識を深めてきた。被爆地長崎で創設され、核兵器廃絶を訴えてきた高校生平和大使はその象徴だ。西宮市出身で第25代大使の長冨日向さん(21)=慶応大3年=は、世界で戦火が絶えない中、「戦争の根絶は難しい。それでも9条の理念を訴えていきたい」と話す。(津谷治英)

 小学校低学年のころ、祖父が戦時中の学童疎開の体験を話してくれたのがきっかけで、戦争の歴史に関心を抱いた。甲南女子高2年の時に高校生平和大使に選ばれ、被爆者や神戸空襲犠牲者の遺族らと交流。「核抑止に頼らない平和」の大切さを心に刻んだ。国際政治に関心を持つようになり、慶応大総合政策学部に進学。そこで壁に当たった。

 「私のベースには核抑止への疑問や軍縮があった。でも同世代には、核抑止の必要性や改憲論を口にする人も少なくなかった」と打ち明ける。高校生平和大使の経歴から「政治色が一定強い人」と見られることもあった。