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 最大震度7を観測した熊本地震の被災地では、発生から3カ月が過ぎた今も約950人が避難所に身を寄せる一方で、復旧に向けた動きが徐々に加速している。仮設住宅の建設や入居が始まったが、日常を取り戻せていない被災者は少なくない。切れ目なく暮らしの再建を支えていくことが大切だ。

 熊本地震の住家被害は今月4日時点で8万6千棟を超える。避難生活が長期に及んでいるのは、建設型仮設住宅の完成戸数が少ないことや、被災者が公的支援を受ける際に必要な罹災(りさい)証明書の未申請や未交付が要因とみられる。熊本県は民間住宅を借り上げる「みなし仮設」を含めて全世帯の年内入居を目指している。住まいの確保を着実に進めてもらいたい。

 避難生活の過酷さなどを背景に、持病の悪化やストレスで生じる災害関連死も抑えねばならない。熊本地震では関連死の疑いがある2人を含め38人が亡くなった。ほかにも遺族らが自治体に関連死の認定申請をしている。被災者一人一人のニーズを把握し、心身のケアや見守り活動など助かった命をつなぐ対策の充実が求められる。

 生活に欠かせない水の確保に困っている地域もある。今回の地震では最大10万8千戸の断水が発生したが、水道の応急復旧は8月下旬までに完了した。

 一方、震度6強を観測した八代市は県南部を流れる球磨川の伏流水が豊富で、約半数の世帯が自分の家の井戸を掘って飲料水を得ている。地震により井戸が破損し、詰まりや水の濁りなどの被害を受け、多くの世帯が今も給水支援に頼っている。掘り直しや配管工事が必要で、修理費用も高額になる。対応する専門業者も不足している。完全復旧の見通しが立たず生活再建を妨げており、国や県は支援策を強化するべきだ。

 熊本県は発生3カ月を前に、「復旧・復興プラン」案を公表した。住まいやなりわいの立て直しを急ぐ「痛みの最小化」や「創造的復興」を柱に掲げる。官民が連携し、スピード感を持って具体化してほしい。

 被災地の人々が生活の基盤を一日も早く取り戻せるよう、ボランティアなどの人的支援も息長く続ける必要がある。