J1湘南は22日、神戸弘陵高のMF石橋瀬凪(せな)の来季加入が内定したと発表した。スピードとドリブルが武器のテクニシャンで、高校時代に急成長。スカウトは屈指のドリブラー三笘薫(ブライトン)にたとえ「近いポテンシャルを持っている」と太鼓判を押す。
神戸市長田区出身。兄の影響で幼稚園年長から競技を始め、幼少期からプロ選手を志した。駒ケ林中時代は神戸U-15でプレーしたが腰の負傷に悩まされ、神戸U-18にも進めなかった。「悔しくて落ち込んだが、見返したろうと思った。上げておけば良かったと思わせたい」と、進んだ神戸弘陵高で奮起した。
砂場のダッシュで脚力を鍛え、スピードが向上。昨年2月の近畿高校選手権で頭角を現し、サイドハーフとして定着した。昨年末からの全国高校選手権では全3試合に先発。敗れた3回戦の神村学園(鹿児島)戦で、一時同点とするヘディングシュートを決めた。最上級生となり、谷監督は「スピードを生かした技術があり、攻撃のけん引役」と信頼する。
5月に別の選手の視察に訪れた湘南のスカウトの目に留まり、翌6月にクラブの練習に招かれた。石橋が仕掛けたドリブルを現役選手たちはファウルでしか止められず、選手やスタッフから認められたという。
若手の活躍が目立つ湘南。強化担当兼スカウトの柳原裕さんは「出場時間を徐々に増やしていき、スタメンを勝ち取る力がある」と期待する。
まだあどけなさが残る18歳は「高校でチームメートやスタッフに恵まれたおかげ。試合に多く絡み、結果を出せるよう頑張りたい」と謙虚に精進する。(井川朋宏)