明治安田J1リーグ第28節最終日の25日、ヴィッセル神戸はノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)でサガン鳥栖と対戦し、宮代と佐々木のゴールで、2-0で勝利した。通算14勝7分け7敗で勝ち点49とし、5位から3位へ順位を上げた。
前節に腰を痛めて途中交代していた神戸の武藤が、勝利をもたらした。左右のサイドから若手FW2人へ好アシスト。けがの影響を感じさせない献身ぶりを見せた。
攻めあぐねていた前半33分、右サイドで相手の裏に抜けた武藤が、左足で鋭いクロスを上げた。これに遠いサイドのゴール前に詰めていた宮代が、左足で直接ネットに突き刺した。
宮代は従来の2列目の中央寄りではなく、3人が並ぶ最前線の左での起用が的中。「もっともっとチームを勝たせる選手になる」と語った通り、負傷から7試合ぶりに復帰した前節に続き、2試合連続弾で得点を自己最多の「9」に伸ばした。
後半は、宮代に代わって出場した佐々木が結果を残した。初瀬の折り返しから再び武藤が左クロスを上げると、頭でぴたりと合わせ、追加点を挙げた。21日の天皇杯全日本選手権4回戦の柏戦に続く2戦連発となった。
J2降格圏に沈み、監督交代、選手の入れ替わりで揺れる鳥栖に大勝とはいかなかったが、8試合ぶりの無失点には価値がある。後半途中から、負傷明けの山口主将が5試合ぶりに復帰したのも好材料となった。
二つ順位を上げ、首位町田との勝ち点差は5に。吉田監督が「上を見るより目の前の試合に集中して勝っていく」と語る通り、1週間後の福岡戦での連勝に照準を合わせる。(井川朋宏)