神戸-FC東京 前半、FC東京・長友(右)にパスをカットされる神戸・井手口(撮影・風斗雅博)
神戸-FC東京 前半、FC東京・長友(右)にパスをカットされる神戸・井手口(撮影・風斗雅博)

 明治安田J1リーグ第34節第1日の18日、ヴィッセル神戸はノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)でFC東京と対戦し、0-2で敗れて9試合ぶりの黒星を喫し、クラブ新記録となる7連勝を逃した。19勝7分け8敗で勝ち点は64のまま。勝ち点1差で首位のサンフレッチェ広島は19日に湘南ベルマーレと対戦する。

 連戦中は先手必勝を体現していた神戸が、中断明けに勢いを止められた。8試合ぶりに先制を許す展開で後手に回り、劣勢を覆せないまま無情のホイッスルが響いた。

 3週間余りの過密日程から中11日の中断を経た一戦。吉田監督は「もう一度気を引き締め、みんなでやるぞという姿勢を」と求めた。

 序盤から球際で上回り、敵陣で攻め続けたのは6連勝中と同じ。だが、好機を仕留めきれずにいると、足をすくわれた。前半24分、自陣で守備陣の寄せが甘くなり、初めて与えた決定機で、FC東京の遠藤にシュートを流し込まれた。

 1点を追う後半9分には、相手に好位置で与えたFKから安斎に頭で押し込まれ、痛恨の2失点目。後半は相次いで5人を交代し、途中からは、サイドバックの酒井を今季初めて中盤に入れるなど攻めの采配を見せたが、猛攻も実らなかった。

 中断で心身はリフレッシュできたはずだが、前日に武藤が「ハードな日程からちょっと解き放たれて難しさはあった」と語っていた懸念が、悪い形で出てしまったか。

 翌日に試合を控える首位広島に重圧をかけられず、逆に余裕を与える結果に。残り4試合。指揮官が「何かを起こすには勝ち続けるしかない」と語る通り、4連勝は必須だろう。さらに広島の敗戦を待つほかなく、連覇に向けて追い込まれた。

(井川朋宏)