サッカーの国内シーズン到来を告げる富士フイルム・スーパーカップが8日、東京・国立競技場であり、昨季Jリーグ1部(J1)と天皇杯全日本選手権の2冠を遂げたヴィッセル神戸は、J1昨季2位のサンフレッチェ広島に0-2で敗れた。広島は9年ぶり5度目の栄冠となった。
今季の幕開けから過密日程が待つ神戸は、新主将のDF山川以外、昨季のJ1最終節から先発10人を入れ替え。5万人超が集った聖地での一戦にも、「すべての試合が大事だが重点を絞る」という吉田監督の決断だった。
ベストメンバーを敷いた広島に、序盤から圧倒された。「前半をゼロで抑えることが大事」(山川)と意識していたが12分、右サイドのクロスからアルスランに頭で合わせられ、先制を許した。
神戸は佐々木を軸に前線から高い運動量でプレスをかけたが、連係は発展途上。長短のパスで呼吸が合わず、決定機はわずかだった。残り30分を切って大迫、武藤、酒井の元日本代表トリオを一気に投入。逆襲を図ったが後半25分、右CKから荒木のヘディングで加点され、見せ場をつくれなかった。
今年の船出は黒星となったが、大けがを乗り越えた斉藤が539日ぶりに公式戦復帰を果たし、フル出場したのは好材料。新加入の小池、本山も先発し、冨永ら若手も経験を積んだ。「全員が戦力にならないと」と指揮官。目指す国内3冠とアジア制覇という高い壁に向け、苦杯を糧としたい。
神戸は今後、11日にアジア・チャンピオンズリーグ・エリートの1次リーグ突破を懸けた第7戦の上海海港戦、15日には浦和レッズとのJ1開幕戦に、いずれも本拠地ノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)で臨む。