取材に答えるミラノ・コルティナ冬季五輪組織委のサッフィオティ氏=イタリア・ミラノ(共同)
 取材に答えるミラノ・コルティナ冬季五輪組織委のサッフィオティ氏=イタリア・ミラノ(共同)

 2026年2月のイタリアでのミラノ・コルティナ冬季五輪は異例の広域開催となる。大会に史上初めて複数都市が名を連ねる今回の五輪は、東京都の面積の約10倍に当たる2万2千平方キロの範囲に会場が分散し、運営側は複雑な警備体制の構築に頭を悩ませる。イタリアではパレスチナ自治区ガザに連帯を示す大規模デモが暴動に発展する事例が相次ぎ、イスラエル選手団などへのテロ対策強化も視野に入れる。

 11月上旬、イタリア北部ミラノにある開会式会場のジュゼッペ・メアッツァ競技場(通称サンシーロ)。テロリストがスタジアムに立てこもった想定で、特殊部隊や救急隊が訓練した。約1カ月後にはミラノから約150キロ離れたバルテリーナにある山間部の道路で、防災当局などが災害時の対応を検証。地域状況に合わせ、関係機関が緊急時の対応について確認を続けている。

 今回の五輪は13の競技会場が四つのエリアに分かれる。イタリア北部全域が範囲で、都市部のミラノから山岳部に位置するコルティナダンペッツォまでの距離は約250キロに達する。(ミラノ共同)