車検切れのまま運行していた園児送迎バス(養父市提供)
車検切れのまま運行していた園児送迎バス(養父市提供)

 兵庫県養父市は7日、市立小佐保育所(養父市八鹿町小佐)の園児送迎バスとして使用する公用車1台を、車検切れのまま運行していたと発表した。3月1日から8月6日までの159日間に計218回、3434キロを走行し、園児ら延べ約1800人を送迎した。事故はなかった。

 同市によると、公用車は2023年3月に新車で購入した10人乗りのトヨタ「ハイエース」。今月6日、6カ月点検のため整備業者に配車したところ、法定の1年目の車検を受けていないことが業者から報告され、判明した。

 市は23年4月の組織改編で、園児送迎バスの担当事務をこども育成課から教育課に移した。その際の引き継ぎが不十分で、担当者は新車である送迎バスの初回点検が3年後であると誤解していた。公用車の管理台帳の整理も十分でなく、担当者のみが把握している状態だったため、車検時期に気が付かなかったという。

 発覚後、市は所有する公用車全ての車検期間を調べ、他に車検切れの車両がないことを確認。今回発覚した送迎バスも6日に車検を受け、同日夕から通常通り運行している。

 市は今後、管理台帳を整理し、市教育委員会教育部内で車検の状況を共有するほか、車検証の複数人の確認などを徹底するという。広瀬栄市長は「ミスを繰り返さない市役所の仕組みづくりに向け、再発防止に取り組み、信頼回復に努める」とコメントした。(吉田みなみ)