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 県立コウノトリの郷公園(同市祥雲寺)は6日、2024年の繁殖について、7月末までに14府県で105羽のひなが巣立ったと発表した。巣立ちにより全国の野外個体数は450羽前後になっているという。

 有識者らでつくる「コウノトリ野生復帰推進協議会」が豊岡市内で開かれ、郷公園が報告した。

 今季は初めて新潟県で巣立ちを確認。新潟から佐賀県までの61ペアが産卵し、7月末時点で105羽が巣立った。兵庫県内ではうち40羽を占めた。これから巣立ちを迎えるひなもいるという。巣立った個体が全体で100羽を超えるのは2年連続。郷公園は「繁殖のペースは加速的に増えている状況」としつつ、巣立った個体は2000年代に想定した数と同水準とした。

 産卵した61ペアのうち、51ペアで巣立ちが見込まれており、巣立った割合を示す「繁殖成功率」は83・6%に達する予定。野生復帰が行われている同じ絶滅危惧種のトキやイヌワシと比べて成功率は高いという。「豊岡で自然再生の場所をつくってきたことが、少なからずプラスになっている」と分析した。(丸山桃奈)