シロハラサギのひな(県立コウノトリの郷公園提供)
シロハラサギのひな(県立コウノトリの郷公園提供)

 ブータンに生息する絶滅危惧種の鳥を守ろうと、日本の専門家たちがノウハウを結集して支援活動を行っている。県立コウノトリの郷公園(豊岡市祥雲寺)の松本令以(れい)獣医師(49)もメンバーとして参画し、この春に現地で人工ふ化とひなの育成を支えた。松本獣医師は「50年以上、野生復帰に取り組むコウノトリの知見が生かされた」といい、長期にわたる支援を見据える。(丸山桃奈)

 松本獣医師らが同国で保護に取り組む鳥は「シロハラサギ」。サギ類で2番目に大きく、同国やインドなどのヒマラヤ山脈の麓に生息する。世界全体で個体数は60羽以下で、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に分類されている。

 ブータンでは約20羽が生息。渓流近くで営巣し、毎年ひなは生まれるが、サルに襲われるなどで保全する必要があるという。