親身な声かけで特殊詐欺被害を未然に防いだとして、南但馬署は管内の2事案で3人に署長感謝状を手渡した。3人は「身近で詐欺が起きていると実感した。今後もコミュニケーションを大切にしたい」と話した。(大高 碧)
■不審電話対応中に高齢女性来店
うち2人は、ローソン和田山インター店(兵庫県朝来市和田山町市御堂)の店長、本谷かほりさん(47)と店員の日下部信子さん(51)。
4月24日正午ごろ、2人が店内で業務に当たっていると、工事現場の作業員を名乗る男性から「店にある弁当の種類を全部教えてほしい」などと電話があり、日下部さんが対応した。
同じタイミングで高齢女性が入店した。女性は50万円分のギフトカードを本谷さんがいるレジに持ってきたため「何に使われますか」と尋ねると「近くの家電量販店でパソコンを買う」などと話したという。
本谷さんは女性の説明に違和感を抱き、詐欺にあっていると確信した。電話対応が長引いていた日下部さんに「詐欺やと思うから(女性を)とめといて」と頼み、電話を代わった。
昼時で店内はにぎわっており、女性も「買えないんやったらよそに行く」と帰ろうとしたという。2人は別の対応に追われながらも女性を引き留め、駆け付けた同署員に引き渡した。
同署によると、女性はNTTの社員を名乗る何者らから契約違反金などとしてギフトカードを購入するよう迫られていた。
10分以上にわたる電話の後、男性が来店することはなかった。本谷さんは同業者から、長電話などで店員の気を引いて詐欺被害を阻止させない事例があると聞いたといい「今回がそうかは分からないが、電話の男性が詐欺の関係者だったら悪質」と話した。
■知人の見慣れぬスマホに違和感
もう1人は、兵庫県養父市上野の木村栄さん(69)。
4月28日、木村さんは知人女性が見慣れないスマートフォンを手にしていたことに違和感を抱いた。
知人は、奈良県警の警察官を名乗る何者からから「詐欺グループの仲間に入っている」などと難癖を言われ、高額なスマホを購入させられていた。口座番号などを聞かれており、同署はスマホを使って金などを奪う計画があったとみる。
知人女性は当初「絶対言えないことがある」などと言っていたが、木村さんは1時間以上にわたって話を聞いて説得した。
木村さんと知人は翌日、預金が引き出されていないか銀行に確認に出向き、職員が詐欺に気付いて通報した。預金は無事だった。
同署管内では今年、7件の特殊詐欺被害が発生しているという。西藤勉署長は3人に「詐欺被害防止のため、今回の体験を近所の人に話して」と呼びかけた。























