駐車場で見つけた焼けた車。ヘッドライトが熱で溶けている。「『車が泣いている』と思ってシャッターを切った」と近兼拓史さん=1995年1月、神戸市長田区(近兼さん提供)
駐車場で見つけた焼けた車。ヘッドライトが熱で溶けている。「『車が泣いている』と思ってシャッターを切った」と近兼拓史さん=1995年1月、神戸市長田区(近兼さん提供)

 阪神・淡路大震災が起きた29年前、近兼拓史(ちかかねたくし)さん(61)=「ヱビスシネマ」(丹波市)支配人=は被災者であると同時に雑誌のライターだった。「とんでもない場所に出くわしたと思った。とにかく記録に残さないといけないと」。地震と火災で変わり果てた神戸市長田区で、何度もカメラのシャッターを切った。