2014年の丹波市豪雨災害を生き延びたブランデーが、缶入りハイボールとしてデビュー-。銘酒「小鼓」で知られる丹波市の西山酒造場が、ブランデーハイボール缶「ブラボー」を開発した。18年以上熟成させた自社ブランデーを使い、香料や糖類を一切加えない本格派。クラウドファンディング(CF)で1月18日まで先行販売している。(秋山亮太)
同社は日本酒の蔵元として知られるが、実は約20年前からブランデーも手がけている。5代目の西山裕三会長がイタリアの蒸留技術に魅了されたのがきっかけで、蔵人を現地に派遣して技術を学び、ノウハウを培ってきた。
14年8月の豪雨災害では、床上浸水などの被害を受け、多くの日本酒や焼酎を破棄せざるを得なかった。ブランデーは別の場所で貯蔵していたため、奇跡的に被害を回避。その後も静かに熟成を重ね、深みと奥行きのある味わいに磨き上がった。今年の「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション」では、ジャパニーズブランデーとして唯一の金賞を受賞した。
「災害を乗り越えた原酒を眠らせたままにしたくない」。現在製造を担当する蔵人の浜木大輔さん(31)らが商品化を検討し、手頃な価格で広く楽しんでもらえるハイボール缶の開発に至った。
原料は自社蒸留ブランデーと、蔵から湧く超軟水、炭酸のみ。香料や糖類は一切加えない。深みのある熟成原酒に、みずみずしさを演出する若いブランデーをブレンドし、アルコール度数9%に仕上げた。日本酒の「生一本」に通じる、添加物を使わない純粋な味わいが特徴だ。
立ち上げから熟成原酒を手がけてきた蔵人の織田敦さん(52)は「さまざまな苦労、工夫を重ねてきた。その思いが商品を通じて届くのはとても感慨深い」。浜木さんは「ブランデーの魅力を広げる商品にもしたい。一日頑張った自分へのご褒美など、いろんな場面で楽しんでほしい」としている。
1缶270ミリリットル。CFサイト「キャンプファイヤー」(QRコード)で、3本5千円(1500円のオンラインショップクーポン付き)のメニューなどで先行販売している。来年中の正式販売を目指している。























