「天皇機関説」を唱えた憲法学者美濃部達吉と、その息子で東京都知事を務めた亮吉の功績を伝える「美濃部親子文庫」が4月、高砂公民館(高砂市高砂町横町)から伊保地域交流センター(現在の中央公民館兼伊保公民館=伊保東1)へ移設される。同市が公民館を廃止し、地域交流センターに変更する一環で、新たに保管スペースを確保する。同文庫は開設から70年余りを経て達吉の出身地・高砂町から離れる。(中川 恵)
同文庫は1952年、達吉の蔵書が寄付され、同町内に「美濃部文庫」が開設された。78年、市立図書館が曽根町に移設された際に高砂公民館に移転されて以来、同公民館の書架などで寄贈資料を保管する。92年に亮吉の蔵書などが加わり名称が「美濃部親子文庫」になった。戦前戦後史の一端を読み解く貴重な資料が含まれる。