11年前に高砂市で山陽電鉄の特急列車がトラックと衝突して脱線した「神鋼前踏切事故」と、同じ原因による遮断機と大型車両との接触事故が、今年に入り2件確認された。脱線事故は13人が重軽傷を負う大惨事だったが、時間の経過とともに記憶は風化。高砂署は周辺企業に呼びかけ、今年の事故や長年の教訓を共有し、再発防止に乗り出した。(児玉芙友)
山電の脱線事故は、2013年2月12日午後、同市荒井町南栄町の「神鋼前踏切」で発生。近くの企業を出発した全長9・6メートルの中型トラックが踏切を北へ横断中、荷台の一部が遮断棒に引っかかったまま、線路を通過しようとした。同踏切は、踏切と北側の交差点との間の距離が短く、大きなトラックが通るには危険だと指摘されていた。
事故後、中型、大型、大型特殊車の通行が規制され、対象車両には迂回(うかい)するよう注意看板や路面標示が整備された。同踏切南側に広がる大規模工業団地の企業とは協議会の場を設け、規制への理解を求めてきた。

























