連携して隣家火災の初期消火に当たり、感謝状を贈られた立石正弘さん(右)、良美さん夫妻=加古川市東消防署
連携して隣家火災の初期消火に当たり、感謝状を贈られた立石正弘さん(右)、良美さん夫妻=加古川市東消防署

 隣家火災で初期消火を行い、被害を最小限に食い止めたとして、兵庫県の加古川市東消防署(久内靖典署長)は2月28日、同市野口町古大内の会社員立石正弘さん(46)、良美さん(43)夫妻を消防協力者表彰した。正弘さんが火元のファンヒーターを外に持ち出し、良美さんが消火器を集める連携プレー。2人は「とっさの判断。火が燃え広がらずよかった」と振り返る。(増井哲夫)

■道路に持ち出し消火器を調達

 「暖房器具から煙が出たんです。消火器はありませんか」。昨年12月15日午後6時50分ごろ、立石さん夫妻が長男(9)と夕食のテーブルを囲んでいると、隣家の女性がインターホンを鳴らし、そう告げた。隣家を見ると玄関から煙が上がっていた。女性は幼い子どもを抱えており、とても対応できそうになかった。

 「隣の家が火事」という良美さんの叫び声に、正弘さんが出てきた。良美さんは自宅の消火器を出した後、近くの実家にも借りに向かった。

 正弘さんは玄関扉が開けっ放しの隣家を見た。奥の部屋でファンヒーターから煙が上がっており、下部から炎も見えた。「今なら持ち出せるかも」。瞬時にそう思い、隣家へ。ファンヒーターを持ち出し、道路の真ん中に置いた。良美さんが持ち出した消火器の安全ピンを抜き、ホースを向けてレバーを握った。

 無事消火。程なく消防隊が到着し、火災は鎮火した。「これまで消火器を使ったことがなかった。日ごろからの防火意識の大切さを痛感した」と正弘さん。しばらくして隣家の女性がやって来て「ありがとうございました」と頭を下げ、立石さん夫妻は胸をなで下ろしたという。

 表彰は全国春季火災予防運動(1~7日)に合わせて実施。立石さん夫妻に感謝状を贈呈した久内署長は「目の前の火災に対し冷静に行動するのは難しい。地域の絆の大切さを示してくれた」とたたえた。