共同通信の定点カメラが捉えた、津波注意報で和歌山県白浜町の海水浴場から避難する人たちの様子。(上から)津波注意報発表前の白良浜(7月30日午前8時37分ごろ)、津波注意報発表後、避難行動を始めた遊泳客ら(同38分ごろ)、津波フラッグを振るライフセーバー(同39分ごろ)、海にいた全員が砂浜に(同40分ごろ)、テントなどを撤収する人たち(同40分ごろ)、砂浜からすべての人が一時的に退避した白良浜(同50分ごろ)
 共同通信の定点カメラが捉えた、津波注意報で和歌山県白浜町の海水浴場から避難する人たちの様子。(上から)津波注意報発表前の白良浜(7月30日午前8時37分ごろ)、津波注意報発表後、避難行動を始めた遊泳客ら(同38分ごろ)、津波フラッグを振るライフセーバー(同39分ごろ)、海にいた全員が砂浜に(同40分ごろ)、テントなどを撤収する人たち(同40分ごろ)、砂浜からすべての人が一時的に退避した白良浜(同50分ごろ)

 ロシア・カムチャツカ半島付近で7月30日朝に巨大地震が起きた際、和歌山県白浜町の海水浴場で遊泳客ら海にいた69人全員が、津波注意報の呼びかけから2分50秒で砂浜に上がる迅速な行動を取っていたことが11日、佐藤翔輔・東北大災害科学国際研究所准教授(災害情報学)らの研究で分かった。高台に設置している共同通信の定点カメラ映像を分析した。ただ砂浜では、テント撤収やシャワー利用などで避難が遅れ、一時的に砂浜から全ての人がいなくなったのは12分後だった。

 海水浴場の動向が詳細に分かり、津波避難対策にも役立つ貴重な調査だ。白浜町は、南海トラフ巨大地震で1メートルの津波が最短3分で到達する想定の地域もある。佐藤准教授は「海からすぐに退避しており、想定にも間に合う行動」と評価した。

 しかし、砂浜は滞留しがちで、テントを片付けるために再び戻った人も。佐藤准教授は「砂浜からもすぐに退避する必要があり、砂浜の行動を改善する課題が得られた。一目散に、安全な場所へ向かうように事前の啓発が必要」と強調した。