集団的自衛権行使を可能にした安全保障関連法は19日、成立から10年。防衛省は今年3月、陸海空3自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」を新設。米側はカウンターパートとして在日米軍司令部を「統合軍司令部」に再編成する方針で、指揮・統制の枠組みを含め日米の連携を加速させる。日本は他国のミサイル基地などを破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)に活用する長射程ミサイルの配備に着手した。中国やロシア、北朝鮮を念頭に抑止力強化を狙うが、東アジアの緊張が高まる可能性もある。
林芳正官房長官は18日の記者会見で、安保関連法に基づく取り組みについて「地域と国際社会の平和と安全に一層積極的に貢献するものだ。日本の平和と安全の確保に資する」と述べた。
安保関連法は、安倍政権下の2015年に成立。米国などが攻撃を受け、日本の存立が脅かされる「存立危機事態」での集団的自衛権行使を可能にした。平時から自衛隊が他国軍の艦艇や航空機を守る「武器等防護」もできるようになり、米国、オーストラリア、英国に実施した。