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【特集】ニュース解く説く TOKTOK

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 安倍晋三首相の連続在職日数が今月24日、歴代首相で単独1位(2799日)となる見通しです。通算の在職日数は、すでに1位で記録を更新中。通算日数が多いのは、2006年から1年間首相を務めており、その分が上乗せされるためです。明治以降、長期政権を築いた歴代首相には誰がいるのでしょうか。それぞれの時代背景と、レガシー(政治的遺産)などを調べてみました。(紺野大樹)

■現在1位は佐藤栄作氏 沖縄返還実現

 現在の連続在職日数トップは佐藤栄作元首相です。安倍首相の祖父・岸信介元首相の実弟で、安倍首相の大叔父に当たります。

 高度経済成長期の1964年に就任して、米国に占領されていた領土の返還を進め、68年に小笠原諸島、72年には沖縄の返還を実現しました。65年には日韓基本条約を結んで韓国との国交を樹立しています。

 また核兵器は「持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則を提唱。こうした成果で、74年にノーベル平和賞を受賞しました。

 2位は現在の安倍首相。続く3位は吉田茂元首相です。終戦間もない46年に就任。第2次から5次までは連続で首相を務めました。日本国憲法制定、サンフランシスコ講和条約締結による国際社会復帰などに尽力。経済面では、資金を石炭や鉄鋼産業に振り向ける傾斜生産方式で戦後復興を進めました。

 4位は「自民党をぶっ壊す」という強烈なメッセージを発信して2001年に就任した小泉純一郎元首相。5位は、1980年代にレーガン米大統領と互いを「ロン」「ヤス」と呼び合う親密な関係を築き、国鉄分割民営化などを成し遂げた中曽根康弘元首相です。

■伊藤博文氏は通算で4位 初代兵庫県知事も

 通算在職日数で、安倍首相に次ぐ2位は、桂太郎元首相です。西園寺公望元首相と交互に3次にわたり通算2886日間務めました。この記録は2019年11月まで106年間破られていませんでした。

 何度も首相に就任できたのは、国会の議決による指名ではなく、大日本帝国憲法下では、天皇が元老や重臣などの助言に基づいて首相の候補者に組閣を命じる形式で首相を決めていたことなどが背景にあります。

 桂が就任したのは、1901(明治34)年。ロシアが中国東北部を事実上占領し、日本の権益が脅かされる状況を受け、英国の協力を求めて、02年に日英同盟を締結。04年に日露戦争に踏み切り、英米の経済的支援を受けて勝利しました。

 4位は、1885(明治18)年、初代内閣総理大臣に就いた伊藤博文元首相です。有力政治家を多用した重厚な内閣を率いて大日本帝国憲法の制定につなげました。初代韓国統監なども歴任。初代兵庫県知事としても知られています。3位と5位は佐藤栄作元首相と吉田茂元首相です。

■憲法改正、北方領土…安倍氏は道半ば

 安倍首相は2006年9月に第1次内閣を発足させました。当時は52歳で戦後最年少。しかし閣僚の相次ぐ不祥事や参院選の惨敗が続き、自身の体調不良もあって1年で退陣しました。

 その5年後、下野した自民党の総裁に返り咲き、12年12月の衆院選で旧民主党から政権を奪還。「アベノミクス」や「1億総活躍社会」などの政策を次々と打ち出し、「安倍1強」とされる体制を構築しました。

 高い支持率に支えられ、機密漏えいに厳罰を科す「特定秘密保護法」の成立や、歴代内閣が禁じてきた「集団的自衛権」の行使容認など、慎重論の強い政策も推進してきました。

 ただ、強い意欲を示した憲法改正や、北方領土、拉致問題の解決などは、いずれも道半ば。支持率も最近は下落傾向です。

 新型コロナウイルス対応への不満や、黒川弘務前東京高検検事長の賭けマージャンでの辞職、河井克行前法相夫妻の「政治とカネ」の問題も浮上してきました。

 自民党総裁任期は来年9月まで。難しいかじ取りが求められそうです。

2020/8/9

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