「創造的復興サミット」前に阪神高速道路の震災資料保管庫を視察する関係者ら=20日午前、神戸市東灘区
 「創造的復興サミット」前に阪神高速道路の震災資料保管庫を視察する関係者ら=20日午前、神戸市東灘区

 1995年の阪神大震災から30年となった兵庫県で20日、国内外の被災地の首長らが集う「創造的復興サミット」が開かれた。地震で大きな被害が出た石川、熊本の県知事やトルコの関係者らが参加し、復興の理念や災害の備えを議論した。

 災害前よりも地域を発展させる「創造的復興」の考えは阪神大震災を機に生まれた。2011年の東日本大震災や昨年の能登半島地震の被災地復興でも提唱されている。

 神戸市内であったサミットでは、石川県の馳浩知事が能登地震からの復興に向けた県内外の学生交流や、祭りを通じた地域再建の取り組みを紹介。仮設住宅での孤立死を防ぐ必要性を訴え「見守り支援は必須だ。ノウハウを全国、世界に共有した方がいい」と述べた。

 宮城県南三陸町の佐藤仁町長は、復興手順を決めておく「事前の復興」の取り組みが重要だとし「防災庁の設置を進めてほしい」とも訴えた。

 トルコの防災教育なども紹介され、斎藤元彦兵庫県知事が終了後、経験や教訓を世代や地域を超え継承、発信していく決意を込めた「ひょうご宣言」を発表した。