【ソウル共同】韓国で尹錫悦前政権側に金品を供与した疑いが持たれている世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子総裁(82)は、教団を創設した故・文鮮明氏の妻だ。韓国メディアによると、2012年に文氏が死去した後、息子らとの後継争いを制して総裁の座に就き、自身の神格化を進めたとされる。

 教団や報道によると、韓氏は日本の植民地時代の1943年に現在の北朝鮮で生まれた。17歳の時に当時40歳だった文氏と結婚式を挙げ、7男7女をもうけた。教団では「真のお母さま」と呼ばれる。

 文氏の死後、自身が「神の唯一の娘」であるとの教理を打ち出した。しかし、文氏の教えにはなかったと反発する一部信者もいたという。

 また、教団が家庭の重要性を説いているにもかかわらず、息子らとの争いを続けたことが求心力低下につながったとの指摘もある。文氏が生前に後継者に指名したとされる七男は、韓氏との権力闘争に敗れた後、米国で分派の宗教団体「世界平和統一聖殿」を設立。三男とは教団の不動産などを巡って法廷で争った。