【シドニー共同】オーストラリアで18日、警察や救急・消防への緊急電話が一時不通となり、警察によると、救命措置などを受けられなかった計3人が死亡した。通信会社はシステム更新時の「技術的なミス」によって通信障害が起きたと説明。一部利用客が回線の不調を通信会社に報告していたにもかかわらず対応が後手に回っており、規制当局が22日までに調査に乗り出した。
緊急電話「000番(トリプル・ゼロ)」は、オペレーターを介して必要な緊急サービスにつなぐ仕組み。通信会社オプタスでは18日未明から13時間にわたり通信障害が発生。南部サウスオーストラリア州など3州と1準州で600件以上の緊急電話が影響を受け、40~70代の男女3人が死亡した。
オプタスのルー最高経営責任者(CEO)は21日、対応が「不十分だった」と認めた上で、利用客から回線不調の連絡があった際、社内で通信障害を認識していなかったため上層部に報告がなかったと説明。同社では2023年にも通信障害で緊急電話が一時不通となり、罰金を科された。