世界保健機関(WHO)の本部=5月
 世界保健機関(WHO)の本部=5月

 【キーウ共同】世界保健機関(WHO)は3日、蚊が媒介するウイルス感染症「チクングニア熱」が流行しており、今年1~9月に疑いも含めた感染例を40カ国で計44万5271件確認したと発表した。死者は155人。流行地域に偏りはなく、広範囲に広がるほか、国外から持ち込まれる輸入症例もあるため、さらに感染が拡大する恐れが大きいとしている。

 感染例は多くが南北アメリカだが、欧州やアジア、太平洋地域でも約2万1千~5万6千件が報告されている。中東やアフリカは他地域に比べ、報告数が少ない。死者はブラジルで111人、ボリビアで4人、インド洋のフランス領レユニオンで40人となっている。

 日本の厚生労働省などによると、チクングニア熱は発熱や関節痛、発疹などの症状を引き起こすが、死に至るのはまれ。日本では毎年、輸入症例が報告されているという。今年は中国広東省で感染が広がり、在広州日本総領事館は肌が露出する服装での野外活動は避けるよう呼びかけている。