電動キックボードに乗る警察官=9日、大阪市中央区
 電動キックボードに乗る警察官=9日、大阪市中央区

 大阪府警が9月から、電動キックボードを公務に活用する全国初の取り組みを始めた。大阪市内3カ所の警察署に配備し、実際に制服警察官が街頭パトロールや事故現場に向かう時に利用する。「お手本」を示して、電動ボードによる事故や違反を防ぐのが狙いだ。

 10月9日昼過ぎ、大阪市中央区。平日のビジネス街を、講習を受けた警察官が乗った電動ボード2台が走る。多くの車が行き交い、歩道にはたくさんの人。もの珍しそうに写真を撮る人もいた。

 これは見本走行と呼ばれ、平日の午前、午後の2回、警察官が街中を30分ほど走る取り組み。配備された3署はいずれも電動ボードの事故が多い地域のため、担当者は「警察官が乗ることで正しいルールを周知したい」としている。

 2023年7月施行の改正道交法で、最高時速20キロ以下などの要件を満たす電動ボードが、特定小型原動機付き自転車に分類された。しかし全国で事故が後を絶たず、警察庁によると24年は338件で、1人が死亡、350人が負傷した。

 府警によると、大阪府内でも24年に59件の事故が発生した。