閑静な住宅街に、緊急車両のサイレンが響いた。埼玉県鶴ケ島市の老人ホームで15日未明、入所者の高齢女性2人が血を流している状態で見つかり、その後死亡した事件。「ただ事じゃない」「心配」。住民らは警察官や救急隊員の様子を不安げに見守り、入所者の家族も現場に駆け付けた。
近くに住む50代女性は、就寝中にサイレンの音で目を覚ました。薄暗い中、自宅から窓の外を見ると、救急車4台が施設のそばに止まっていた。
死亡した2人のうち1人が見つかった4階の一室には明かりがつき、救急隊員が心肺蘇生をしているような様子が見えたという。「ただ事ではなく、学校も近いので不安だった」と振り返った。
半年ほど前から兄が入所しているという70代女性は「心配で様子を見に行こうと思ったが、規制線があって近づけなかった」とうつむいた。施設については「衛生的で、職員も優しかった」と語った。