報道陣に公開された迎賓館。ダイニングルームは日本らしさを表現する赤色で統一された=15日午後、大阪市此花区の夢洲(撮影・笠原次郎)
報道陣に公開された迎賓館。ダイニングルームは日本らしさを表現する赤色で統一された=15日午後、大阪市此花区の夢洲(撮影・笠原次郎)

 158の国・地域が参加した大阪・関西万博の閉幕を受け、非公開だった会場内の迎賓館が15日、報道関係者に公開された。同館では期間中、各国の元首ら要人をもてなし、VIPらが交流。生け花や盆栽、家具、料理など日本の技術と美意識の粋を集めた逸品が、その舞台を彩った。

 日本国際博覧会協会(万博協会)によると、迎賓館は鉄骨平屋で、延べ床面積約4600平方メートル。大屋根リングを設計した会場デザインプロデューサーの藤本壮介さんがデザインを監修した。建物中央に広々とした水盤があり、それを囲むように回廊が延びる。

 会期中は要人がほぼ毎日訪問。生け花や盆栽が季節感を演出し、貴賓室で茶道三千家が茶を振る舞った。

 会食用のダイニングルームやパーティーに使うバンケットルームは、それぞれ赤、黄色が基調。食事では大屋根リングや「ミャクミャク」を表現したデザートが出された。国内各地の日本酒も人気で、終盤の9、10月は兵庫県産の銘柄数種類も振る舞われたという。

 同協会儀典長の引原毅さんは「多くの要人をもてなし、日本の魅力や強みを発信できた」と語った。

 ほかに、一部海外パビリオンの迎賓空間も公開。カタールやクウェートなどの各館が、自国の文化や和風を取り入れたデザインなど趣向を凝らした交流の場を紹介した。(岩崎昂志)