富山地裁に向かう福山里帆さん=21日午後、富山市
 富山地裁に向かう福山里帆さん=21日午後、富山市

 富山県黒部市の自宅で高校生だった長女福山里帆さん(25)に性的暴行をしたとして、準強姦罪に問われた父親で無職の大門広治被告(54)に富山地裁は21日、求刑通り懲役8年の判決を言い渡した。福山さんは実名を公表し、自身の被害体験を明かし、性被害の撲滅を訴えてきた。

 梅沢利昭裁判長は判決理由で「家庭内という発覚しづらい状況で、被害者を本来守るべき立場にありながら性交に及んだ」と指摘。自己の性欲を満たすための犯行で、卑劣で悪質性が高く常習的だと非難した。

 被告は昨年12月の初公判で、性交渉があったことを認めた上で、「(福山さんは)逆らえない状態ではなかった」と無罪を主張していた。

 判決などによると、被告は日常的に教科書で殴ったり、「言うことを聞かないと進学させない」と脅したりし、2016年8月、抵抗できない状態で性的暴行を加えた。

 被告は昨年3月に逮捕、起訴された。福山さんは同月以降、中学生と高校生だった時に計8回ほど被害を受けたと実名で告発してきた。