千葉大や京都大などのチームは11日、ぜんそくや潰瘍性大腸炎などを引き起こす慢性炎症の原因物質を特定したと発表した。「HLF」と呼ばれるタンパク質が、外敵を攻撃する役割の免疫細胞に肺や腸にとどまるよう働きかけ、炎症反応を持続させていると判明したという。11日付の米科学誌サイエンスに発表した。
千葉大の平原潔教授(免疫学)によると、HLFは血液をつくる幹細胞に多く含まれるが、慢性炎症に関わる免疫細胞で見つかったのは初めて。「免疫細胞内でのHLFの働きを抑えられれば、慢性炎症の治療法開発や創薬につながる可能性がある」と話した。
慢性炎症は、体の組織で弱い炎症反応が続く状態。花粉症や関節リウマチの発症にも関わる。炎症は主に体内に侵入した病原体やアレルギーの原因物質を免疫細胞が攻撃することで起こる。免疫細胞の一部は攻撃後も組織に残って炎症が続き、慢性炎症へつながることが知られていたが、詳しい仕組みは不明だった。
























