子どもの体調不良は親なら誰もが経験する悩みですが、入院となると大変さは桁違いです。戸塚ネオさんがX(旧Twitter)に投稿した『小児科に付き添い入院してきました』では、母と娘の過酷な入院生活を描き、大きな反響を集めています。
ときはコロナ禍。1歳の娘が、風邪をこじらせて喘息性気管支炎を発症してしまいます。娘はまだ授乳中だったため、母が付き添い入院することになりました。厳しい感染対策が敷かれるなか、1週間にわたる入院生活が始まります。
母は有給休暇を全て使い切ってしまっていたため、仕事と病院の往復をする毎日。自分のことは後回しで、夜は小児用患者ベッドで丸くなりながら娘の看病を続けました。すると、母の懸命な看病のおかげで、ゼーゼーとした呼吸の症状は快方に向かってきました。ところが娘の食事量が少なく、医師から「まだ退院できない」と言われてしまいます。
なかなか食べてくれない娘に対して、追い詰められていく母。その様子を察したのが、病棟の看護師でした。母が思いを打ち明けると、看護師は栄養士を交えて娘に合わせた食事を工夫してくれたのです。ようやく娘は、病院食を食べられるようになっていきました。
その後、親子は無事に退院の日を迎えます。帰宅後、母は「体感時間は1カ月くらいだった」と語り、当たり前の日常を噛み締めたのでした。子どもの付き添い入院の苦悩を描いた同作について、戸塚ネオさんにお話を聞きました。
■付き添い入院は子供との絆が残る時間
ー付き添い入院で、いちばんつらかったことは何でしょうか?
やはり、心身共に休まる時間がないことですね。日中は仕事で気を張り、夜は狭いベッドでの浅い眠り。娘の心配も尽きず、常に張り詰めていました。
ー ご主人からのサポートで、助かったことは。
食事や着替えをこまめに差し入れてくれて、本当に助かりました。また、必要な物をお願いしたら、すぐ用意してもらえるのもありがたかったです。
ー入院中に「持ってきてよかったもの」や「なくて困ったもの」は?
延長コードと、音が鳴らないお気に入りのおもちゃです。ベッド周りにはコンセントが少ないので、延長コードは必須でした。病院という普段と違う環境でも、お気に入りのおもちゃがあることで娘は安心できたようです。ただ、周囲への配慮も必要なので、私は音が鳴らないタイプを選んで持って行きました。
逆に困ったのは「大人の食事」でした。その都度買いに行くのも大変なので、「親用の携帯食」は持って行った方が安心だと思います。
ー付き添い入院を経験して。
想像以上に大変でしたが、親子の絆が深まる時間でもありました。この作品は、私自身が「しんどかったよ」と声にすることで、同じように悩んでいる方に「ひとりじゃない」と感じてもらえたら……という思いで描きました。私が付き添いをしたのはコロナ禍なので、現在は環境も少しずつ変わってきていると思います。今後さらに付き添い入院の環境が改善されていくことを願っています。そして、この体験が読んでくださった方の参考になればうれしいです。
(海川 まこと/漫画収集家)

























