歴史的公文書として保存されている資料=12日、相模原市
 歴史的公文書として保存されている資料=12日、相模原市

 「刃物を持った男が暴れている」。午前3時2分、救急要請を受けた消防隊員らが現場に着くと、「建物内で少なくとも3人は刺されている」との情報を聞いた。警察官と施設に入り多数の傷病者と接触。治療の優先順位を決める「トリアージ」や応急手当てを実施した-。

 これは2016年7月26日、相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺傷された事件で、地元消防が発生直後の壮絶な状況を記録した内容だ。市は20年、悲劇を繰り返さず教訓を後世に残そうと、この「特殊な救急搬送事例について」という文書など100件超を歴史的公文書として永久保存することを決めた。

 消防隊員らの「惨事ストレス面接経過記録簿」の記述も生々しい。「最先着として現場到着。被疑者確保の情報がない中薄暗い屋内に進入。多量の出血を伴う死者および傷病者を多数確認した」

 市は事件前の16年2月、障害者差別の言動を繰り返す植松聖死刑囚(36)の緊急措置入院を決定。退院の4カ月後に凶行に走り、対応を巡り市に苦情が寄せられた記録もあった。