生乳業界の実証実験のイメージ
 生乳業界の実証実験のイメージ

 乳業メーカーなどが連携し、酪農家の脱炭素の取り組みに応じて生乳の買い取り価格を増額する実証実験を2027年度にも始めることが16日、分かった。農林水産省も支援し、脱炭素だけでなく経営が苦しい酪農家の支援にもつなげる狙い。

 農水省は50年までに農林水産分野で温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)排出を実質ゼロにする目標を掲げている。酪農や畜産では牛のげっぷや堆肥に含まれるメタンガスなどの削減も課題となっている。

 実証実験は農林中央金庫(農林中金)が運営する、食品業界の脱炭素化を目指すコンソーシアムで協議を進めてきた。仕組み案では農水省が提供する「GHG簡易算定ツール」を使い、生産網全体で排出された温室ガスを把握。酪農家から集荷を担う団体を通じてデータの提出を受け、乳業メーカーは買い取り価格を上乗せする。メーカー側はデータで得られた削減量を、温室ガスの排出削減量や吸収量を売買する「カーボンクレジット」の証明に使える。

 業界団体の中央酪農会議の調査では酪農家の6割が赤字だ。農家の数は年間約5%減少している。