地震で複数の煙突が折れ、犠牲者が出た日本製紙八代工場=7月、熊本県八代市
 地震で複数の煙突が折れ、犠牲者が出た日本製紙八代工場=7月、熊本県八代市

 熊本県で最大震度7を記録した地震により、日本製紙の八代工場(熊本県八代市)では深刻な人的被害が発生し、建屋や設備は大きく損傷した。詳細は調査中だが煙突は折れ、電気系統にも影響が出ている。生産再開は見通せず、経営の打撃となるのは避けられないとみられる。

 社員6人と協力会社社員3人が死亡し、日本製紙は「極めて痛ましい事態。謹んで哀悼の意を表する」とコメントした。八代工場は同社にとって九州唯一の工場。1924年設立で長く地域経済や雇用に大きな役割を果たしてきた。

 八代工場で主に生産している書籍や新聞向け用紙は、人口減や社会のデジタル化で需要の縮小が続いている。5月に公表した中期経営計画では輸出も狙える付加価値を高めた製品群を強化するとして、トイレットペーパーや大人用おむつなど家庭向けを成長事業と位置付けた。八代工場も2028年までに約310億円を投じ、家庭向け製品の製造を始める予定だ。

 ただ被災からの復旧費用の規模などによって投資計画の見直しを迫られる可能性がある。