自著「ことばのヤングケアラー」を手に持つアジズ・アフメッドさん=14日、前橋市
 自著「ことばのヤングケアラー」を手に持つアジズ・アフメッドさん=14日、前橋市

 外国にルーツを持つ子どもの学習支援などを行う前橋市のNPO法人「共に暮らす」(ともくら)の代表理事アジズ・アフメッドさん(27)が、「ことばのヤングケアラー」(クリエイツかもがわ)を出版した。自身の経験を基に、日本語が苦手な家族の通訳を担う子らの現状を紹介。「多くの人に苦労する実態を知ってほしい」と話す。

 アジズさんはパキスタンで生まれ、9歳で群馬県榛東村へ引っ越した。日本語の上達に伴い小学5年生ごろから、家族の通訳を担う機会が増えた。当初は「誰かの役に立っている」という実感がうれしく、通訳に誇りを持っていた。

 しかし母親の病院に付き添った際、病状や医師の説明など「もし間違って訳していたら」と不安に。「曖昧な理解で訳し、誰かを傷つけるかもしれない」と、大きな精神的負担となっていった。

 家族通訳を担わざるを得ない移民やミックスルーツの子たち。本は、学校の勉強と並行しながら、親と社会の架け橋になることが求められ、年齢にそぐわない責任と負担を強いられる姿を描く。

 アジズさんは、周囲のサポートの重要性を強調し「特に福祉、医療、教育分野の関係者に届いてほしい」と話した。