NECが量子コンピューターの実機開発から撤退したことが9日分かった。実用化に向けては今後十数年にわたる投資継続が必要で、収益化が困難と判断した。高速計算ができる次世代技術は経済安全保障の観点からも重視され、米中などとの開発競争が激化。資金力で劣る日本勢は苦戦を強いられる。
NECは量子研究分野の古参で、1999年に基礎技術となる「超電導量子ビット」の実現に世界で初めて成功した。だが近年は他国に水をあけられ、計算能力の高さを示す指標で欧米勢が数百ビットを実現したのに対し、NECは公表値で8ビットにとどまっていた。同社は3月末で実機開発の中止を決断。ただ量子関連技術の開発には「引き続き取り組む」とコメントした。
日本勢では今後、富士通にけん引役としての期待が集まる。NECと同じ超電導方式と「ダイヤモンドスピン方式」の両輪で研究を進め、2030年度までに計算能力の飛躍的な向上を目指す。今月8日には高純度の人工ダイヤモンドにスズを混ぜる方法で計算効率を10倍に高めた試作機を公開した。























