感染症の世界的大流行が起きた際、治療薬の主成分である原薬から最終製品までを国内で一貫して生産できるよう、厚生労働省は21日までに、企業の施設整備を支援する方針を固めた。原薬は海外依存度が高く、大流行が起きると必要量の輸入が難しくなる恐れがあるため。

 厚労省の担当者は「感染症危機の発生時にも医療提供を維持できるようにしたい」と説明した。どの感染症を対象とするかは今後決める。

 製薬企業は原薬の多くを安価な中国、インド製に頼っており、新型コロナウイルス禍では実際に品薄になったことがある。また製造施設が老朽化しても、物価高の中で更新を進めづらいとの課題もあるという。

 厚労省は製薬企業や化学メーカーなどに対し、工場新設や設備更新費のうち5~8割を補助する計画で、2027年度予算の概算要求に盛り込んだ。原薬の製造体制づくりについては金額を示さず、治療薬とワクチンに関して840億円を計上した。

 政府は今年3月、感染症の診断薬や治療薬、ワクチンといった「感染症危機対応医薬品」の開発、生産強化に向けた国家戦略を閣議決定した。