「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」のスピンオフ「ウルズハント」で主人公ウィスタリオ・アファムを演じた生駒里奈が、声優への挑戦を振り返る。(取材・文 共同通信=高坂真喜子)
【いこま・りな】1995年12月29日生まれ。秋田県出身。「乃木坂46」の1期生として活動し、2018年の「卒業」後は、俳優として映画や舞台などで活躍している。
【機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント】金星に浮かぶラドニッツァ・コロニーで生まれ育ったウィスタリオ・アファムは、辺境惑星である金星の現状を変えるため、多額の賞金を懸けたレース「ウルズハント」に参加する。10月から特別編集版「ウルズハント -小さな挑戦者の軌跡-」が劇場で公開された。
▼記者 今回声優に挑戦されて、どのように感じましたか。
●生駒 普段出演している舞台やドラマと「演じる」という根本は一緒ですが、直接自分の演技を見てもらうのではなく、アニメでキャラクターが生きているところに声を吹き込む、という難しさを実感しました。初めて収録に臨んだ時は基本的な声の出し方すらうまくつかめなかったのですが、どう乗り越えていくかをずっと考え、自分なりに頑張ることができたと思います。声優さんがやっているパフォーマンスにどれほどの技術がいるのか、ということを実感することができました。
▼記者 なかなか大変なお仕事です。
●生駒 今回の特別編集版のために一部を追加収録したのですが、以前収録したものよりもよいものにすることを最大の目標に、マイクにいい音を乗せられるようにとずっと練習してきたら、スタッフさんからも温かいお言葉を頂けてうれしかったです。
▼記者 出演が決まった時は、どのように感じましたか。
●生駒 以前からアニメや声優さんのすごさを感じていました。その中でも特にガンダムシリーズは圧倒的な歴史や人気があり、声の演技にも技術が必要だろうと考えていたので、出演が決まってびっくりしましたが、光栄でもありました。声のお仕事の難しさは想像以上だと実感しましたが、とてもいい経験でした。
▼記者 今回、声優というお仕事への挑戦はご自身のキャリアにどんな影響を与えそうでしょうか。
●生駒 舞台など他のお仕事でももちろんそうですが、声のお仕事は特に、台本を読み込んで自分で作っていかないといけないものなので、お芝居の作り方の根本をすごく勉強できましたね。以降は他のお仕事でも、脚本を読み込んで自分の中に深く落とし込む作業をもっと意識して行うようになりました。
▼記者 さまざまな活動をされていらっしゃいますが、こんな活動をしてみたいとか、どのようなところを目指したいということがあれば、教えてください。
●生駒 これから30代に入るので、ここから本当に自分がやりたい人生が開拓されていくと実感しています。用意されたものをこなすというよりも、みんなで一生懸命、良い作品を作って世の中にお伝えしていきたいです。一度きりの人生、その中でやりたいのはお芝居。うまい俳優だねって言ってもらえるように、お芝居をもっと知って、もっと磨いていきたいです。
▼記者 皆さんにお伝えしたいことなどあれば。
●生駒 「鉄血のオルフェンズ」はとても面白いので、まだご覧になったことのない方は、今回の特別編集版の「ウルズハント」をきっかけに見ていただけると、きっと人生が豊かになると思います。私もこの作品に携わったことをきっかけにシリーズに非常に興味を持ったので、「鉄血のオルフェンズ」と「ウルズハント」からガンダムを知って、好きになってくださる方がまた増えたらいいなと思います。
























