神戸新聞NEXT

 その女性が編集局を訪ねてきたのは阪神・淡路大震災発生の翌年、1996年だった。赤ちゃんと母親を結ぶへその緒、胎盤に含まれる血液を「臍帯血(さいたいけつ)」と呼ぶ。通常、出産後は廃棄されるが、血液のもとになる「造血幹細胞」が多く含まれる。白血病などの患者に移植すれば、回復が見込めるという。