部活動の遠征先にマイクロバスで向かっていた高校の男子ソフトテニス部員20人のうち、1人が亡くなり、17人が重軽傷を負う痛ましい事故が起きた。
なぜ、という思いがぬぐえない。原因の究明に加え、全ての教育現場は校外活動における安全確保の点検と徹底に努める必要がある。学校全体で危機意識を共有してほしい。
事故は福島県内の高速道路で発生した。新潟県の私立北越高校の生徒らが乗ったバスがガードレールに衝突し、前方部が大破した。自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで逮捕された運転手の男は「カーブを曲がりきれなかった」と供述しているという。
バスの手配を巡り、関係者の主張は食い違う。運行会社は高校から「予算を抑えたい」とレンタカーと運転手の手配を頼まれたとし、高校側は貸し切りバスを依頼したとの認識だった。運行に至る経緯の解明が待たれる。
双方が安全意識を欠いていたのは明らかだ。運行会社の営業担当は、知人を介して面識のない人物に運転を依頼したと話している。逮捕された男は数カ月前から物損事故を繰り返していたが、営業担当は把握していなかったという。道路運送法違反に当たる「白バス行為」の疑いも浮上した。あまりのずさんさにあぜんとする。
一方、高校は過去のバス手配を見直したところ、複数回レンタカーを利用していた。事故を起こしたバスは事業用ではない白ナンバーだったが、顧問の教諭は確認しておらず、バスに同乗もしていなかった。学校全体の管理体制が問われる。
業者任せや安全意識の欠如は、沖縄県辺野古沖で高校の平和学習中だった女子生徒が船の転覆で亡くなった事故にも通じるだろう。
兵庫県教育委員会はバス事故を受け、校外活動での安全確保徹底を改めて通知した。公共交通機関の利用を原則とし、貸し切りバスの場合は引率教員が同乗してシートベルト着用や非常口、車両の外観などを確認するよう求めている。顧問任せにせず、管理職が事前に運行計画を把握することが重要だ。
地域によっては顧問や保護者、部活OBらが無償で送迎するケースが少なくない。中学校では部活動の地域移行が進みつつある。地域クラブには、校区を超えて生徒が日常的に集まることが想定され、適切な移動の在り方が新たな課題となろう。
部活動の遠征や合宿の教育的効果は大きいと実感する教員は多い。安全を最優先に、子どもたちの経験や成長の機会を確保する方策を、保護者や地域も共に考える必要がある。























