介護現場の人手不足にどう向き合い、持続可能なものとするか。厚生労働省は2026年度版厚労白書を発表し、人工知能(AI)やロボットなどを積極的に活用するよう促した。先端技術の導入は分野を問わず不可欠だが、小規模な介護施設では取り組みが遅れており、国の支援が求められる。
日本の高齢者人口は40年ごろにピークを迎える一方、生産年齢人口(15~64歳)はそれまでに1100万人も減ると予想され、白書は高齢者介護を担う人材不足の深刻化を懸念する。
他業種との賃金格差もあり、関係職種の有効求人倍率は25年度で3・98倍。求人の4分の1しか求職者がいない。入学者数がわずかながら増えている養成施設はあるが、留学生が多く、現場の将来は今以上に外国人に頼らざるを得ないのが現状だ。
施設の経営も厳しい。24年度は介護サービス事業所の37・5%が赤字だった。事業所の収入となる介護報酬は国によって定められており、物価高で支出は増えても転嫁は難しい。
こうした担い手不足を補い、経営の効率化を図る手だての一つとして、白書が強調するのが「テクノロジーの活用」だ。事例として、スタッフの夜間巡視を減らす見守りセンサーの導入▽福祉器具やロボットを使ったノーリフティングケア(抱え上げない介護)▽AIによる記録アプリ-などを挙げた。スタッフの負担軽減で働きやすい職場になれば、人手確保にもつながる好循環を生む。
しかし、機器によっては数百万円もの費用がかかる。たとえ数十万円の負担であっても、経営のより厳しい小規模な事業所には手が届かない。
導入を進めるには白書が指摘するように、経営の安定化につながる介護報酬の引き上げはもちろんのこと、事例の共有、相談窓口の設置、技術開発への支援など、官民による幅広い取り組みが必要になる。
厚労省の調査によると、介護にAIやロボットなどを活用することに対し、国民の7割は肯定的に捉えているという。とはいえ、「人」なくしては成り立たないサービスでもある。処遇の改善など人材への投資が大切なのは言うまでもない。























