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西日本豪雨

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山陽新幹線「こだま」の上り列車の割引を知らせるチラシ
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山陽新幹線「こだま」の上り列車の割引を知らせるチラシ
バスで被災地支援に入った兵庫県からのボランティア=7月14日、岡山県総社市(撮影・金 旻革)
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バスで被災地支援に入った兵庫県からのボランティア=7月14日、岡山県総社市(撮影・金 旻革)

 西日本豪雨の被災地で活動するボランティアを支援しようと、企業などが交通費の割引や休暇制度などを設ける動きが出ている。被災地ではまだまだボランティアの力が必要とされており、夏休みに入った学生や夏季休暇を取りやすい社会人らの後押しとなることが期待される。

 JR西日本はボランティア活動の帰りの足などとして、岡山-徳山間の新幹線各駅から新大阪駅へ向かう山陽新幹線「こだま」(上り)の自由席料金を半額程度に割り引く。8日までインターネット予約限定で発売しており、来島達夫社長は「広く活用してほしい。ネット販売にすることで、被災地の駅の混雑緩和にも寄与したい」と話す。

 国土交通省によると、フェリーでは愛媛県内で活動するボランティアの運賃を半額にする制度の導入が続き、7月中に少なくとも7社が導入した。大阪・神戸から大分方面への航路があるフェリーさんふらわあ(神戸市東灘区)も2016年の熊本地震以降、特定の災害と限らずにボランティア特別運賃を続けており、「被災者とボランティアの双方にとって役に立てれば」とする。

 活動費の現金支給に乗り出した企業も。国内外でソーシャルビジネス事業を展開するボーダレス・ジャパン(東京)は岡山、愛媛、広島の各県で活動した学生に一律5千円を助成する。写真付きのリポート提出などが条件で、定員200人まで受け付ける。豪雨後、社員が被災地で必要なものを聞き取り、「一番足りないのは人手だと気付いた」と同社。担当者は「被災地の最寄り駅から各地のボランティアセンターへの往復交通費だけでも負担感はある。体力と意欲はあるが金銭面で二の足を踏む人たちの背中を押したかった」と話す。

 阪神・淡路大震災を機に1997年から始まった「ボランティア休暇」。兵庫県内のほとんどの自治体が導入しているが、企業にも動きは広がっている。

 住友ゴム工業(神戸市中央区)は09年度に制度化した。上限は最大年40日で、繰り越しできずに失効する有給休暇を充てる。

 東日本大震災などで約200人が利用。西日本豪雨での申請はまだないが、岡山県のグループ会社社員が倉敷市真備(まび)町へ赴くなど、ボランティア活動をしている社員はいるという。

 みなと銀行(同)は東日本大震災が起きた11年に導入した。通常の有給休暇とは別に、年度に1回、最大5日間取得できる。

 厚生労働省が17年度に実施した調査によると、ボランティア休暇を導入している企業の割合は9・6%。東日本大震災があった11年度の4・6%から倍増したものの、まだ1割に満たない。(竹本拓也、末永陽子)

2018/8/3
 

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