エッセー・評論

猫の毛まみれのキーボード

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泣くのは理由があるんだよ(撮影・吉田敦史)

泣くのは理由があるんだよ(撮影・吉田敦史)

 少し前に、フランスのニースからドイツ・フランクフルト行きの飛行機の中で、高齢の白人男性の隣に座った。にこやかに話し、到着した後も、こっちから出た方が早いよ、と教えてくれる親切な人だった。ただ、飛行機に乗っている最中、私たちの席から離れた後ろの方に赤ちゃんがいたのだが、ぐずる声が聞こえてくるたびにその男性は苛立(いらだ)たしそうに振り返った。「まったく」とか小さな声で毒づきながら。この人はアジア人女性である私には優しいのに(アジア人女性相手だと横柄になる白人男性に、これまで何度か遭遇してきた)、赤ちゃんには厳しいんだなあと、なんとも言えない気持ちになった。

 同じようなことは、意外とよく目にする。先週も、バスに乗っていたら、近くに幼稚園ぐらいの男の子が母親と一緒に座っていて、その子が時々笑い声を上げた。たいした大声でもないし、ずっと騒ぎ続けているわけでもない。でも、またしても、前に座っている高齢男性は男の子と母親のいる方向をそのたびに振り返っていた。ファミリーレストランで、子どもの声がうるさいからと、席を移動した高齢の男女を見たこともある。私が遭遇したのは偶然お年寄りが多かったが、SNS(会員制交流サイト)で話題になっているのを見る限りでは、公共の場での子どもの声を苦々しく感じている人は、老若男女問わず多そうだ。

2018/11/10

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