
毎日が発見(撮影・中西幸大)
今年4歳になった私の子どもは、いろんな物事をこわがる。虫をこわがるし、家の猫をこわがる。こちらからすると、え、そんなことを、と思ってしまうようなことを、こわがる。たとえば、ある百貨店の屋上に、上にのってぼんぼん飛び跳ねることのできるバルーンの小山のような遊具があり、それで遊べる年齢になったので、数百円を払い、中に入った。そこまではノリノリだった子どもの顔は、上にのってしばらくすると強張(こわば)りはじめ、降りたいとぐずりはじめた。揺れがこわかったらしい。ママがすぐ横にいるから大丈夫だよ、と言っても、もういやだと聞かないので、降ろしてあげた。その後は交代の時間まで、バルーンの上で楽しそうに遊んでいる他の子たちを下から「応援する係」として、「がんばって!」と声かけをして過ごしていた。
子どもは男の子なので、今でも廃れていない昔ながらの価値観でいうと、こわがることはマイナスとして働き、勇敢であることのほうが評価されるだろう。「男の子なのに」「男の子だから」というフレーズを浴びてしまうこともあるかもしれない。
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