エッセー・評論

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染みついた「あたりまえ」(撮影・秋山亮太)

染みついた「あたりまえ」(撮影・秋山亮太)

 これを書いている時、眞子さんが圭さんと結婚し、彼女は小室眞子さんになった。2人の関係が世の中で知られるようになってから、2人に対する誹謗(ひぼう)中傷は続き、結婚の記者会見を終えた今も止まりそうにない。

 私は選択的夫婦別姓ができない現状では結婚したくなかったので、結婚しないまま出産した。妊娠、出産、育児という未知の経験ばかりだったこの数年の出来事を、現在発売中のエッセー集「自分で名付ける」にまとめた。その中でも書いたが、私がこの数年、強く感じたのは、社会の制度が日本社会の「普通」を規定しており、そこから逸脱した人間に何か不利益があったとしても、それは「普通」じゃない当人らのせいである、という“ルール”が根強くはびこっているという事実だ。私も含むが、この国に住む人々もその“ルール”を多かれ少なかれ内面化していて、線からはみ出すことを恐れたり、はみ出した人たちに偏見の目を向けたりする。眞子さんと圭さんがこの“ルール”を大きく逸脱したように見えている人が多いのだろうと察せられる。

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2021/11/6
 

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