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華麗な演技で逆転優勝を飾った坂本花織=2018年12月23日、大阪府門真市、東和薬品ラクタブドーム
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華麗な演技で逆転優勝を飾った坂本花織=2018年12月23日、大阪府門真市、東和薬品ラクタブドーム

 フィギュアスケートの世界選手権(2019年3月・さいたま)代表選考会を兼ねた全日本選手権第3日は18年12月23日、大阪府門真市の東和薬品ラクタブドームで行われ、女子は平昌(ピョンチャン)冬季五輪代表の18歳、坂本花織(シスメックス、当時神戸野田高3年)がショートプログラム(SP)に続いてフリーも2位となって逆転し、合計228・01点で初優勝した。

▼表現力磨き、完成度アップ

 どこまで強くなるのだろうか。2位で平昌冬季五輪出場を決めた前回から1年。坂本は230点に迫り、全日本女王の座を手にしても、「ジャンプはそこまで良くなかった」と言い切った。逆転優勝の鍵は、地道に磨き上げてきた表現力にあった。

 「ブラッシュアップしてきた成果がでた」と手応えを示したのが、芸術性を示す演技構成点だ。高さと飛距離に自信を持つ豪快なジャンパーにとって苦手としてきた部分を克服すべく、映画「ピアノ・レッスン」の優美な音楽に合わせ、振付師ブノワ・リショー氏に難解な動きをたたき込まれた。

 中野園子コーチに怒られながらも「死ぬ気でやってきた」。いつも審判より下に向いていた目線は「『跳ぶから見てろよ』と。ノックアウトするつもり」で顔を上げ、臆さずアピールした。恩師は「一つ一つ表現を確かめながら、ストーリーになっていた」と目を細める。昨季を勢いで走り切ったオリンピアンは、大人の舞を身に付けた。

 もちろんジャンプも冒頭のフリップ-トーループの連続3回転から全開だった。ステップ、スピンも一つを除いて最高難度のレベル4。SP、フリーともにノーミスと完成度の高さが際立った。

 観客もどよめく最終滑走での逆転劇だった。得点が表示されて万感の表情を見せた場面を「計算ミスかと」と笑ったのは、ご愛嬌(あいきょう)。平成最後の女王となった18歳は、世界選手権まで成長曲線を描き続ける。(山本哲志)

2018/12/24
 

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