遊具の前でポーズを取る小濱行生さん(左)と油谷陸さん=加古川市加古川町篠原町
遊具の前でポーズを取る小濱行生さん(左)と油谷陸さん=加古川市加古川町篠原町

 背の高い小濱行生(こはまこうき)さん(11)と油谷陸(あぶらたにりく)さん(11)は、加古川市立氷丘南(ひおかみなみ)小学校6年で同じクラス。放課後、近くの篠原甲峠(しのはらかぶととうげ)公園(同市加古川町篠原町)にしょっちゅう、やって来ます。家に帰ると、どちらかが誘(さそ)いに来る感じ。JR加古川駅北からすぐの場所で、2019年にできました。さっぱりと整備(せいび)されていて、きれいです。取材の日は、夏の花が花壇(かだん)で鮮(あざ)やかに咲(さ)いていました。

 意外と人が少ないところも2人のお気に入りです。思いっきり鬼(おに)ごっこしたり、遊具で遊んだり。「ゲームもいいけど、外も楽しいよな」と顔を見合わせて目で笑います。

 よく聞くと、立ち寄(よ)る公園はあと他に2カ所くらいあって、たまに近くの田んぼの用水路にも遠征(えんせい)しているらしいです。用水路にはエビ、ザリガニ、ドジョウもいて、おもしろいと言います。

 2人には「生きもの好き」という共通点があります。学校の休み時間には運動場に飛び出すよりも、理科室の水槽(すいそう)にいるメダカを見に行く。「ほら、『墨汁(ぼくじゅう)』ってみんな呼んでるメダカいるよな」「あ? おるおる。ちょっと黒いねんな」。息の合った会話と親しい雰囲気(ふんいき)から、互(たが)いの信頼(しんらい)感が伝わってきます。

 学校で好きな教科は図工というのも一緒(いっしょ)です。「川をテーマに未来のまちをつくってみよう」という作品作りで、2人は班(はん)も違(ちが)うけど、くっつけて一つの作品にしました。「ええ感じやった。なっ」と満足げ。「けんか? ないな~」とおっとりムードです。来年は中学生。このまま、ずっと仲良しでいられたらいいですね。

 照れる2人の間を、昼下がりの風が吹(ふ)き抜(ぬ)けました。

(鈴木久仁子(すずきくにこ))

<お宝ポイント>

▼鬼(おに)ごっこで遊ぶ

 6年 油谷陸(あぶらたにりく)さん 僕は別のまちから転校してきた。小濱(こはま)君と仲良くなって、この公園で遊ぶようになった。まぁー、鬼(おに)ごっこかな。

▼家から出るきっかけに

 6年 小濱行生(こうき)さん 誘ってくれると、家から出るいいきっかけになる。家でだいたいゲームしていることが多いから。この公園では思いっきり走っている。

<メモ>

 篠原甲峠(しのはらかぶととうげ)公園の隅には「甲峠橋の親柱」と説明されている石柱が立つ。大正15(1926)年と刻(きざ)まれていて、橋はかつて公園から約60メートル西にかけられていたとのこと。今の加古川駅北地区が整備(せいび)される前の田園地帯を思い出させてくれる、貴重(きちょう)な柱となっている。